【年長児ママ必読!】小学校入学までに育てておきたい、5つの感性・感覚とその育て方

2019年1月26日

小学校入学まであと2ヶ月と少し。きっと幼稚園や保育園でも、おうちでも小学校に向けての準備を色々とされていることでしょう。

そして何より、子どもは人生の大きな1ステップを踏み出すことに期待を膨らませていると思います。

学校でのお勉強って、どんなことするんだろう。どんな友達がいるんだろう。先生は優しいかな。

入学して間もない頃というのは小学校生活の中で最も物事に対して高い意欲を持っている時期と言えます。ひらがな1字書くのにも、本当に一生懸命ですからね。

しかし、溢れんばかりのその意欲は、残念ながら年々下がっていってしまうのが現実です。あれほどキラキラしていた目の輝きが、いつの間にか失われている。1年生の2学期くらいからその兆候が表れている子も中にはいますし、下手すると学校に行きたがらなくなる「登校しぶり」を起こすことも。

やる気を削ぐものの正体

初めは持ち合わせていた高い意欲がなくなる原因には、学校の勉強が「わからない」「できない」ことが大きいです。

しかし、これについて語る前に、皆さんには知っておいて欲しいことがあります。今の学校の教育というのは、わたしたち大人が考えている以上に「難し」く、「忙しい」のです。

「理解している」「できる」のが前提で進む、学校の授業

例えば、算数だったら子どもたちが今までに学習した考え方や公式などを活用して課題を解決し、自分たちで新しい知識を獲得していく問題解決型の授業が中心です。一方的、そして受動的に先生から教わるのではなく、自分の頭で主体的に考え、そして人同士が関わり合いながら学習していくことによってこそ、社会に出てたくましく生きていける人間に育つと考えられているのです。

理屈でいえばその通りですが、この教え方による課題のハードルは、子どもにとってとても高いです。

例として、くり上がりのあるたし算の筆算の仕方を取り上げてみましょう。たし算の筆算は、2年生で初めて学習しますが、この課題を解決する前提として、10進位取り記数法(10ずつのまとまるごとに次の位に上がること)の理解があります。ちなみに10進位取り記数法を初めて学習するのは1年生です。

この表し方が理解できていれば、「10のまとまりが1個できるから、10の位に1個分足す」ことも導き出せますが、逆に理解できない子は自力でどうすることもできません。10進位取り記数法の仕組みがわかっていないのですから、たとえ先生や友達に教えてもらったとしても、すぐに理解することはまずないでしょう。

難しくて忙しい、現代の学校教育

このように自力で課題を解決するためには、それまでに学習したことをしっかり理解している、使えるようになっていなければなりません。どこかでつまずくと、そこから先の学習もお先真っ暗になる可能性が急激に高まってしまうのです。そうすると、わからないできないことが増えてどんどん勉強が、ひいては学校が嫌になっていくのは当然ですね。

そして、外国語教育や情報教育など、社会からの要請に応じるために、新しい教育がどんどん詰め込まれているのが今の義務教育。それでいながら、今までの教育内容や行事が減ることはほぼありません。わからない子がいたとしても、その子の理解を待つほどの時間はありませんから、先生たちも授業を進めざるを得なくなります。

補充指導の時間もほとんど確保できませんし、するとしてもできるのは昼休みなどの「休み時間」。ただでさえ嫌な勉強に、自分の自由な時間まで奪われてはますますやる気を失うに決まっています。

入学までに、子どもの「引き出し」を増やそう

なんだか暗い話が続いてしまいましたが、落ち込むことはありません。事実、わからないこと、できないことがいくつかあったとしても大体の子どもはできるようになります。

でも、できない経験より「わかる!」「できる!」という経験が多い方がずっと良いですよね。そういう経験を積めば、自然と自分に自信がもてるようになりますし、学習に対するモチベーションも上がります。

入学した途端からつまずいてしまわないようにするためは、今のうちに必要な力を備えておくことが大切です。つまり、子どもの引き出しを増やしておくのです。

ただ、誤解しないでいただきたいのは、ここで指す「必要な力」というのは、決して小1で暗算がスラスラできるようにしておくとか、鍵盤ハーモニカがテロテロ弾けるようにしておくとか、そういう予習的なことではありません。あくまで、様々な学習に繋がる感性感覚です。

育てておきたい5つの感性・感覚とその育て方

ヒロシゲが考える入学までに育てておきたい感性・感覚は、以下の5つです。

  1. 数に対する感覚
  2. 図形感覚
  3. 逆さ・浮遊感覚
  4. リズム感覚

1.数に対する感覚

数というのは、時間や長さ、数量など、生活のあらゆるものに使われるので、これに対する感覚というのは本当に大事です。

特に今のうちに身につけておきたいのは「数のまとまり」。簡単にいうと「1が10個で10」「10が2個で20」といったような10進数位取り記数法の考えや、「二・四・六・八」といったような、いくつかの数を任意のまとまりで数えていく感覚です。

この感覚を身につけていくには、生活の中で数に触れる経験を積極的に取り入れていけばいいでしょう。例えば、次のようなことができると思います。

  • お風呂で一緒に100まで数えてから上がる(10数えるごとに指を1本立たせるとなおよし)
  • クッキーを2枚ずつ家族に配らせる
  • 銀行屋さんごっこをする

特に普段手にすることができないだけあって、子どもはお金を使った遊びが大好きです。そして、10円玉や100円玉といった硬貨は、数のまとまりを意識させるのにうってつけです。遊び終わった後はしっかり手を洗うのを忘れずに(笑)

また、数のまとまりと同じくらい大切なのが、時刻や時間 の感覚。時計の勉強は3年生まであるのですが、本当につまずく子がとても多いです。

デジタル表示の時計しかないおうちは、長針と短針で時刻を示すアナログ式の時計を絶対に買いましょう。なぜかというと、学校でもこの形の模擬時計を使って学習するからです。それに、長い針が1周(=60秒)すると1分進むといった時間の決まりが視覚化されてわかりやすいというメリットもあります。

おでかけしたときに「電車が出るまであと何分かな?」などと聞くと、時間の計算も自然とできるようになります。

2.図形感覚

図形問題も、苦手な人が多い単元の1つ。でも、子どもたちって、形遊びは大好きなんですよね。大好きなうちにできるだけ図形に対する感覚も育てておきたいものです。

そのために有効なのが、ズバリ積み木パズル

積み木は立体の構成要素の理解に抜群に効果的です。積み木を高く積んでいくためには、重ねる面が平面である必要があります。円柱を側面を下にして置いてしまうと転がってしまうけれど、底面を下にして置けば重ねることはできる。そういった経験の積み重ねから、自然と立体の特徴を掴んでいくことができます。

また、同じ直線でできている仲間でも、星型の積み木は自立させることはできても上に積み木を積むことはできないといった共通点や相違点から、複数の物を比較するときの視点も育つことが期待できます。

パズルは出っ張りやへこみの形に注目しながら完成させることを通して、平面図形の構成要素の理解に効果があります。また、「直線があるピースは絵の端っこのピース」と、パズル同様に共通点を見出す力が育こともあるでしょう。

これらの遊びを通すことによって、図形を理解するのに不可欠な辺や角度とった構成要素に対する素地を無理なく養うことができます。

逆さ・浮遊感覚

これの感覚、どこで使うかわかりますよね?そう、体育です。

この感覚がない子は、まず鉄棒で地獄を見ます。回る以前に、足が地面から離れることが怖いから、できる技がほぼ皆無になってしまうからです。

そして、ジャンプして鉄棒の上で静止できたところで、そこから布団干しの技や前周りをするとなれば、頭が下に行きますよね。ひどい子は、それが怖くて泣きわめくこともあるとか。

他にも、水泳の授業で浮かぶとか、マットでの前転とか、意外と浮いたり逆さになったりする運動は体育の中で結構あるものなので、とても重要な感覚といえるでしょう。

さて、この感覚は、親と遊んだりじゃれ合ったりすることを通して育てるのがおすすめです。

親が子どもの足や腰を掴んで逆さにしたり、親と手をつないだ状態で親の体をトーンと蹴って回ったり、そうした遊びを通して逆さになったり浮いたりする経験を積ませてあげましょう。

これはお子さんの体が大きくなってからではできないこと。いつやるの?今でしょ!(古い)

4.リズム感覚

リズム感を使う教科といえば、音楽

1年生の間は、楽譜の読み方の指導はありませんが、リズムの指導はあります。「タンタンタンウン」とか、「ウンタンウンタン」と、音符・休符をオノマトペで表し、拍感を身につけていきます。

低学年の間であれば、音程が取れなくてもさほど問題はありませんが、リズムは歌にしろ器楽にしろ取れないと非常に困ります。

また、リズムの大切さは音楽だけに限ったことではなく、実は国語にも当てはまることです。

子ども向けの本は、結構五七調で文が書かれていることが多いです。このリズムで音読していくと、単語や文節で自然と区切って読むことができるので話の理解が早くなります。また、多くの子がよくつまずく促音(「っ」の音)も、「ら」「っ」「ぱ」「ウン」と、拍に乗せて言わせるとできたりします。

リズムは、本当に感覚的なことなのですぐに身に付けるのは難しいのですが、楽しみながらというところでは、ずいずいずっころばしとか、お寺の和尚さんといったわらべ唄がいいですね。

5.手

感性や感覚とは少しずれますが、手先がどれだけ器用かは、学校の学習で本当に大きな影響を及ぼします。

ほとんどの授業では鉛筆を持ちますよね?手首が固い子は運筆が上手じゃないので、字形も整いません。諸説ありますが、字を綺麗に書く力と学力は相関すると言われています。汚い字を書くと、あとで何を書いているのか自分でわかりにくいですし、綺麗に書けることに越したことはありません。

手首が固いことによる弊害は鉛筆だけに止まりません。ハサミのりといった文具を使うときにも支障を来しますし、3年生から使うコンパスは、手首のやわらかさが作図に顕著に現れます。

じゃあ、手首を育てるっていってもどうすれば良いのでしょうか。僕が最も良いと思うのは、ぬり絵です。

大事なのは、できるだけはみ出ないように塗ること。線や形に沿って手首をいろいろ動かすことが重要です。ただ、別に芸術作品を仕上げようとしているわけではないので、たとえはみ出したとしても叱らないようにしましょう。子どもが「はみ出ないように」と意識することが大事なのです。

ぬり絵のメリットについては、下の記事に詳しく書かれていますので、参考にどうぞ。

子供にも効果抜群!塗り絵がもたらす効果とは

共通して言えるのは、「楽しみながら」育てること

いかがでしたか。

紹介したどの感性・感覚を育てるにあたっても大事なことは、子どもが楽しみながら育てていくこと。遊びの中で育てていくことです。

筋トレをトレーニングとして行う人にとってはきついものだけれど、趣味として行う人にとっては楽しいものですよね。それと同じです。

僕がこれらの感性・感覚を今のうちに育てておきたいと思うのも、子どもたちが小学校に入って、「楽しみながら」勉強ができるようにするため。それなのに今から苦しんで身に付けるようでは本末転倒ですよね。

長々と語ってしまいましたが、この記事がお子さんが楽しく学校生活を送るための一助となったら幸いです。