子どもや家庭に配慮した宿題の出し方とは?その宿題、何のために出してるの?
この記事では、現代の宿題の出し方について考えます。
日本では、出して当たり前となっている宿題。
しかし、実は世界中すべての学校が宿題を出しているわけではないんですね。
特に日本は、夏休みや冬休みにも宿題を出す、世界的にも珍しい宿題大国です。
日本では、「宿題は家庭で取り組み、家庭が見てやるもの」という見方が強いですよね。
しかし、共働きが当たり前となっている今、
家庭が宿題を見る時代は終わりかけているのかもしれません。
時には宿題について子どもや保護者から
クレームを受けたことのある先生もいらっしゃるのではないでしょうか?
時代が変化している今、より良い宿題の出し方について、今日は考えてみましょう。
宿題は「家庭が見るもの」という観念を捨てる
先に述べましたが、今の日本は共働きの家庭が多数です。
教育熱心である家庭は別ですが、基本的に仕事に家事と日々の生活に追われている共働きの親に、
宿題まできっちり見てあげる余裕はほとんどないでしょう。
シングルマザーの家庭だったら、その負担は倍増します。
3人兄弟だったものなら、全員の音読を聞くだけて30分くらい費やすかもしれません。
家庭との連携を多くの学校が呼びかけていますが、
現代社会から鑑みて、家庭との強固な連携は不可能だと諦めましょう。
安易に「見てください」と言ってない?
そのように考えると、こちらの宿題の出し方や量も吟味する必要があります。
例えば、プリントの丸付けを安易に保護者にお願いしていないでしょうか?
10ページ以上にわたる範囲の音読を毎日課していませんか?
こちらから「きちんと見てください」と頼むのは簡単ですが、それを実行する側からすれば、乱暴な宿題を押し付けられたと感じているかもしれません。
宿題を出すときの、3つの留意点
では、宿題の出し方について、どのようなことに気をつければ良いでしょう。
ここからは、僕が宿題を出すときに気をつけていることを紹介していきます。
総量を一定に保つ
日によって宿題の量が異なる先生がいますが、これは子どもにとって本当に迷惑です。
習い事がある日に、とんでもない量の宿題が出たら、
それをしなければならない子どもも、
それを見てあげなければならない親もたまったもんじゃありません。
でも、学校から出る宿題がいつも一定量であれば、放課後が忙しい子も、いつ宿題をすれば良いか、見通しを立てやすくなります。
僕は、基本的に音読とプリント1枚、家庭学習ノート2ページを基準としています。
そして、プリントの内容が難しかったり、量が多かったりするときは、家庭学習を無くすなどして、バランスを取るようにしています。
週末は少し増やしますが、家族でのお出かけや習い事などのことも考慮して、単純に量を倍加しないように気をつけています。
丸付けのお願いは低学年まで
低学年は、発達段階的に自分で家庭学習を考えたり、正確に丸つけをすることは難しいので、
プリントを配ったり、ドリルに取り組ませたりして、丸つけなどのチェックはおうちの方にお願いしています。
(ただし、家庭環境を考慮して強制してはいません。)
宿題のチェックを通して、お子さんの学習につまずきがないかどうかに関心をもってもらうこともねらっています。
2年生後半あたりからは、自主学習の習慣を身につけさせるために、
簡易な内容であれば自分で丸つけをすることも始めます。
ただ、その際も必ず最後はおうちの方に子どもの丸つけにミスがないか目を通していただいています。
中学年以降は自分で丸付け
中学年以降は、朝にプリントの答えを黒板に張り、子どもたちに丸つけをしてから提出させています。
これで自分が児童全員の丸つけをする負担も無くなります。
家庭には、子どもたちの取り組みの様子を見守ることと、励ましの声をかけていただくことをお願いするくらいです。
すぐに効果が実感できるものを課す
最後は少し家庭との連携と外れますが、いつも意識していることを1つ。
学力をつけるにあたって、宿題を出すときに最も考慮すべき点は授業との連携です。
その日の授業で習ったことを、その日の宿題で復習させる。
これが最も効果的な宿題の出し方でしょう。
僕も、特に算数は授業で新しいことを習った日は、必ずドリルの該当ページやプリントを宿題で出しています。
その他には、翌日に小テストを行うことを子どもたちにアナウンスし、その範囲の漢字練習を課すこともしています。
僕が出す小テストはたったの5問なので、きちんと取り組めば大体の子は満点近く取ることができます。
このように、宿題をしたことで「できた!」と、
すぐに達成感を味わうことができるような宿題を出すことに配慮しています。
それを積み重ねれば、学ぶことが楽しくなり、自分から学習に向かうようになっていきます。
目的は「学習習慣の確立」
宿題については、先生によって目的が異なると思いますが、
僕の宿題における目的は、自分で学ぼうとする習慣を身につけさせること。
子どもの間にすべてを理解できなくても、
学び続ければ、学習の遅れはいくらでも取り戻すことはできます。
有名大学や大企業に進めば安泰だというような神話はとっくに崩壊した現代です。
不確定なこれからの時代を生き抜くためにも、僕は成績よりも学び続ける姿勢を宿題で育てていきたいと思っているのです。
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