わくわく新年度!学級崩壊を防ぐための年間を通して気をつけるべき3つのポイントとは?
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ついに新年度が始まりました!
新元号「令和」も発表され、心機一転という感じがいつもより強く感じられますね。
さて、今日からはきっと、先生方も赴任されてきた先生を含めた新体制で動き出したと思います。
新しい学級での子どもたちとの出会い。
子どもたちとうまくやっていけるのだろうか、学級をまとめていけるのだろうかと不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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この時期によく取り上げられるのが、学級開きの仕方。
中には学級開きの仕方の如何で、学級が崩壊するかどうかが決まると豪語する先生もいたりします。
今日は、そんな学級開きも含めた、学級崩壊を起こさないためのポイントについてご紹介していきます。
3つの学級「開き」
一口に学級開きといっても、学級びらきには3つの側面があることをご存知でしょうか。
それらは、頭文字をとって「まなぶ」の3文字に集約されます。
- 「ま」なび
- 「な」かま
- 「ぶ」んか
「ま」なび
まなぶの「ま」は学びの「ま」。
この1年で、この教科ではどのようなことを学ぶのか、どのような力を身につけることを目指すのか。
そのような見通しをもたせるためのオリエンテーリングのようなものです。
見通しの他に、教科に対する期待や希望をもたせることがねらいです。
1年生を担任したときは必然的に行うことになりますが、
3年生の理社や書写、5年生の家庭科など、他の学年でも初めて出会う教科があるので大切な要素です。
「な」かま
まなぶの「な」は仲間の「な」。
言わずもがな、これは児童同士のつながりを作るのがねらいです。
特にクラス替えをした学年だと、初日はどこか張りつめたような空気が感じられますよね。
自己紹介や質問タイム、アイスブレーキングなどを用いながら、積極的に交流して打ち解けさせていきましょう。
このとき、児童の様子を注意して観察していると、リーダー候補やムードメーカー要員が誰かなど、
児童理解も同時に行うことができて一石二鳥です。
「ぶ」んか
まなぶの「ぶ」は、文化の「ぶ」。
ここで言う文化とは、教師の作る雰囲気を指します。
「先生はこういう人だ」であることを、子どもにしっかり伝えるのがねらいです。
例えば、この学級でどのような子になって欲しいかとか、どういうときに先生は褒めたり叱ったりするのかといったことです。
変に気張ることはありません。これについては後述しますが、自分の自然体の状態で話すのがベストです。
ただし、おどおどした話し方だけはやめましょう。一瞬で子どもに値踏みされる危険があるからです。
「黄金の3日間」はまやかしだ
教育の世界には、黄金の3日間という有名な言葉があります。
これは、どんな学級の子供でも、最初の3日間は騒がずに先生の言うことを聞くので、
この3日間で、これから1年間通用する約束事やルールをはっきりと決めることが、
学級崩壊するかしないかの分岐点となるという考え方です。
教育界の大御所、向山洋一氏による言葉で、教育技術の法則化を提唱するTOSSで盛んに実践がなされています。
この考え方自体は、僕も大切だと思いますし、概ね支持します。実際、3日くらいの間は子どもたちは従順ですし、4月の学級経営が1年を左右しかねないというのは、向山氏だけでなく、多くの著名な先生が仰っています。
ですが、黄金の3日間でしっかり学級を作り上げようとすると、特に若い先生はつぶれるでしょう。
その理由は以下の通りです。
目の前の児童を見ていない
初めのうちに問題児を潰すとか、持ち物を厳しくチェックし、いかなる例外も許さないとか…。
黄金の3日間を提唱する方々の実践はよく言えばシステマティックで効率的ですが、
裏を返せばかなり機械的。そこにいる児童の実態は一切考慮されません。
例えば、これが昨年度崩壊を起こした学級に通用するでしょうか。
学力が全般的にかなり低い学級に、暗唱テストを何度も行わせることが、学級をまとめることに繋がるのでしょうか。
まぁ、威厳というか恐怖心を植えつけておけば多少は機能するでしょう。
ただ、僕が子どもだったら恐怖政治を行う担任の先生で過ごす1年は嫌ですね。
所詮は付け焼き刃
初任の先生は、往々にして自分に自信がありません。
どんなに気丈に振る舞って黄金の3日間を実践したとしても絶対に化けの皮は剥がれますし、
学級を崩さない一心で先生自身に余裕がなくなって笑顔も消えるでしょう。
そのような付け焼き刃、子どもは一瞬で見破ります。見破られたら最後、
その先に待っているのは崩壊の一途です。
学級を固めるのに大事な3つのポイント
黄金の3日間の価値が非常に高いのは確かにその通りです。
しかし、黄金の3日間における学級作りのテクニックはあくまで「手段」であり、
「目的」ではありません。
大切なのは、1年間学級崩壊を防ぐこと。
それが達成できれば別に3日間でなくたって構わないのです。
そこで、学級崩壊を経験したことがある僕が考える、
学級を固めるポイントは以下の3つです。
「すごい先生」より「守ってくれる先生」を演じる
子どもから見て、先生は憧れの対象となることが多いですが、
高学年の場合だと、それが反感を買う原因となることも。
反対に、低学年の子は、取るに足らないことでも「先生すごい!」と勝手に神聖視してくれます(笑)
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でも、子どもたちが真に求める先生とは、
ずば抜けた能力をもつ先生より、いつでも自分たちの味方でいてくれる先生です。
自分が何かいけないことをしても、
自分を守ってくれる先生。
もちろん、「うちの子はそんな子じゃない!」と、
モンスターピアレントになれということではありません。
自分がいけないことをせずにはいられなかった気持ちを受け止めてくれたり、
一緒に謝りに行ってくれたりする、そういう先生を子どもは求めます。
僕は、学級の子同士が喧嘩したときは基本的に仲介に入らないようにしていますが、
他学級・他学年とのトラブルがあったときは一緒に相手のところへ行って、
まず僕が児童の代わりに謝るようにしています。
そして、自分の学級の子がどういう気持ちでしたのかを伝え、
「〇〇さんの気持ちもわかってくれるかな?」と、共感を求めています。
このような姿勢を貫いていけば、まず子どもが反旗を挙げることはありません。
「俺たちが先生を助けなくちゃ!」と思わせる
「最近流行っている〇〇って何?」と一たび子どもに聞くと、
ものすごく子どもたちが熱弁してきた経験ってありませんか?
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そう、子どもは教えたがりなのです。
この子どもの特性を生かして、先生はどちらかというと無能感を出している方がうまくいくことがあります。
しかし、無意味に無能感を晒け出してしまっては学級崩壊の道まっしぐら。
大切なのは、「俺にもできないことがあるから助けてくれ!」と、子どもにヘルプを出すことです。
例えば、僕は物事を覚えるのが非常に苦手なので、
「先生、〇〇のこと忘れる自信があるから、帰りの会で話してなかったら言ってもらっていい?」と、いつも子どもにお願いしています。
そして、それを子どもが実行したら「ありがとう!」と感謝の気持ちを伝えます。
アドラー心理学によれば、人は感謝されることに最大の幸福を感じるそうです。
僕もアドラーに沿って、この実践を行っています。
感情に支配されない
特に大切なのはこれ。
初任の頃の僕の学級が崩壊したのは、偏に叱る理由が「イライラする」だったから。
授業中に私語をする、歩き回る。注意をすればギャーギャー騒ぎ立てる。
それに対してまた「うるさい!」と怒鳴るという無限ループ。
怒鳴った理由が「うるさかったから」では、子どもも納得しないのは明らか。
なぜ授業中にうるさいのがいけないのか、その理由を伝えるという視点が、僕には欠落していたのです。
自分の怒りの感情に支配されると、正常な判断力が失われます。
今でも子どもの行為にイラつくことはありますが、
今は初任の頃のようにいきなり怒鳴るようなことはしないように気をつけています。
「どうしたら、この子の行為を改善させられるだろう?」と、
一呼吸置いて考えるように、ここ近年でなりました。
僕が初任の頃にやっていたことは、企業に置き換えれば、商品が売れないことに対して
「どうしてお前はうちの商品を買わないんだ!」と顧客に怒鳴り散らしていたことに変わりないでしょう。
そうではなく、「どうすればうちの商品を買ってくれるか?」という冷静な視点で、
感情に支配されずに戦術を練ることができれば怖いものはありません。
そのような考え方ができてこそ、黄金の3日間の効果が存分に発揮されるのではないでしょうか。
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