保護者との連絡帳交換で押さえるべき4つのポイントとは?
この記事では、小学校で保護者と連絡帳でのやり取りをする上で気をつけたいことについて紹介します。
小学校では必ず行うと言っても過言ではない、保護者との連絡帳でのやり取り。
特に低学年の頃は、子育てに不安を抱える親さんから連絡だけでなく家での様子や愚痴を書かれることもしばしば。
とはいえど、保護者とのやり取りって、会話だろうが連絡帳だろうがとても緊張しますよね。
うっかり地雷を踏んでしまったらどうしよう。
その後の関係をどう修復しよう…。
特に連絡帳のやり取りはよく保護者とのトラブルに陥りやすいツールの一つ。
互いに望まない衝突を防ぐためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
文字でやり取りすることのリスク
そもそも連絡帳は文字のみによる伝達しかできず、実はかなり難易度の高いコミュニケーションツールです。
普通に会話をするのと比べて、何がその困難さを増幅させているのでしょうか。
証拠が残る
文字でやり取りをする上で厄介なことの1つに、伝えたことがそのまま紙面に残るということが挙げられます。
何か問題が起きたとき、「前に先生はこのように書かれましたよね?」って追及されても何の文句も言えません。
すべてを口約束にして事実を歪曲しろなんてことは決して言いませんが、
自分が書いたことが後に自分を苦しめる不安要素にもなり兼ねないことも否定できません。
僕は前に、毎日雑な字で明日の予定を書き、平気な顔で出してくる子の連絡帳に
「乱暴な字は人の心を傷つけます。見る人のことを考えて書きましょう。」
という旨の内容を連絡帳に書いたら、それを見た親御さんに教育委員会へ連絡を入れられてしまったことがあります(当の本人には全く響いていませんでしたが)。
口で言えばその場で済むようなことでも、後々面倒になる可能性が文字だと十分にあるのです。
気持ちや意図が汲みにくい
最大の難点はこれ。対面での会話と違って抑揚や表情と言った情報が皆無であるという点で、文字での会話は難しいのです。
メラビアンの法則をご存知でしょうか。
感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。
(Wikipediaより)
例えば、相手のミスを笑いながら軽快な声で「バカだね」と言うのと、真顔で重々しい声で「バカだね」と言うのでは、相手に与える印象が全く違うのは簡単に想像できますね。
前者なら本気でバカとは思っていないことが伝わるでしょうが、後者は心底バカと見ているに違いないと思われるでしょう。
このように、表情や声のトーンというのは会話において重要な要素なのですが、文字だとこれらを載せて伝えることができません。
ですから、こちらはそんなつもりがなくても、予想だにしないところで相手をカチンとさせてしまうことが大いにありうるのです。
この法則に則れば、中高生のLINEなどのすれ違いが頻繁に起こるのも大いに頷けますね。
連絡帳で気をつけたいこと
そうとは言っても、連絡帳でのやり取りは避けられません。
それでは、そんなリスキーな連絡帳で保護者とうまくコミュニケーションを図るための4つのポイントを見てみましょう。
本題は、お礼や挨拶をしてから
保護者から寄せられた連絡やコメントに対していきなり返事するのは避けましょう。
「ご連絡ありがとうございます。」や、「いつもお世話になっております。」と言った文でワンクッション置いた後に、本題に入ることで、相手にも心の余裕をもたせることができます。
病気で欠席した子どもの家庭なら、「〇〇さんの様子はいかがですか。」と、お子さんを気にかける言葉を書くのもGOODです。
馴れ馴れしい表現は慎む
ときどき、(笑)や顔文字を書いてくる保護者がいらっしゃいます。
おそらく、畏まらずにざっくばらんと話したいのでしょうが、私たちとの関係はあくまで「担任」と「保護者」。友達ではありません。
相手がどんな言葉で書いてきたとしても、私たちは教員という立場で謙虚なコメントをするように心がけましょう。
マイナスコメントは控える
連絡帳を書くときの肝です。子どもがいけないことをしたときの報告を連絡帳で伝えるのは、絶対にやめましょう。
先ほど述べたとおり、文字には感情や声がないため、相手は書かれた情報をそのままに受け止めてしまいます。
面と面で笑いながら「こういうことがありましてね〜」と話されるのと、文字だけでその事実を知るのとでは受け止め方が180度異なります。
がんばっていることやテストで高い点をとったことなど、むしろプラスのことを連絡帳では伝えましょう。
赤ペンで書かない
子どもの連絡帳と言っても、やり取りするということは一種の手紙。
そう考えると、文を赤ペンで書くのは相手に失礼に当たります。
僕は自分が子どもの頃の担任の先生が赤ペンで書いていたので、何の疑問も持っていませんでしたが、同僚の先生に指摘されて初めて知りました。
指摘されてからは黒ペンで書くようにしています。
油性だと書き始めが掠れて見にくいので、水性がおすすめです。
ただ、調べてみると学校で書き方が指定されているところもあるみたいなので、
その場合は学校の方針に従うべきでしょう。
基本は電話連絡
僕は連絡帳よりも電話で連絡する方が圧倒的に便利だと考えています。
なぜかというと電話の方が早く伝達事項を伝えられますし、証拠も残らない。
そして何より、話し方や声のトーンから、互いの気持ちを確かめることができるからです。
相談してきた内容について深刻に悩んでいるのかそうでないのか。
そういったことも、電話越しでの会話なら掴みやすいのです。
放課後に電話を入れるのは少々手間ですが、だいたい1人あたり2分も使いません。
文字に書き起こす手間やリスクと比べれば、電話の方がよっぽど良いことは明白でしょう。
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