「フランス人は10着しか服を持たない」から、本当の豊かさを考える。

皆さん、服って何着持っていますか?

夏服や冬服、上着などを合わせると、僕は多分3段の押入れラック5つ分以上にはなってしまいます。

 

 

でも、中には今ほとんど着ておらずスペースを取るだけの存在と化した服もけっこうあります。

なのに、また新しい服をつい買ってしまうんですよね…。

 

欲しいモノは何でも手に入る今の時代、モノに溢れた中で生活できていても

なんとなく物寂しかったり満たされなかったりする。

そのような方にこの1冊をご紹介します。

 

心からときめくものだけを持つ

 

今回僕が読んだのは、「フランス人は10着しか服を持たない」という本。

 

ジェニファー・L・スコット 大和書房 (2014/10/21)

 

カリフォルニア州出身の著者が、フランスはパリへ留学した体験をもとにまとめたライフスタイル本で、

こんな方におすすめです。

 

  • 無駄遣いを直したい
  • どれだけ買い物をしても満たされない
  • 幸せな毎日を送りたい
  • 自分に自信をもちたい

 

パリっていうと、おしゃれの第一線を行っているような街じゃないですか。

この日本という島から1歩も出たことがない僕は、こだわりの服を何十着、いや、何百着も持っていて、

絢爛豪華な装いでシャンゼリゼ通りを颯爽と歩くパリジェンヌたちがいるイメージを持っていました。

 

ところが、この本によればフランスの家のクローゼットはとても狭く、

当のフランス人も上下合わせて10着程度を着回して生活するのが普通だとか。

 

その他にも、生活に使う食器や家具も、どれも新しいものではないけど、

1つ1つがとても質の良いもので、それらを大切に使うのが

フランス人の生活だそうです。

 

僕たち庶民って、ついつい安いものに飛びついてしまうじゃないですか。

ファストファッションで買った服とか、処分市で並んでいる食器とか、

高級メーカーと見た目で遜色はないけどかなり安いAmazonでよく見る中華メーカーとか。

おもしろいくらい売り手の戦略に乗っかって買ってしまいますよね。

 

でも、そうやって買ったものって、確かにあまりときめかないんですよ。

「どうしてこれ買っちゃったかな…」って後悔するときもしばしば。

 

僕は浪費癖があり、どうしてこうも次から次へと買ってしまうのか悩んでいましたが、

この本を読んで、自分がどれだけ無感動に物を買っていたのかに気付かされました。

確かに、少しで高くてもものすごく心を惹かれて買ったG-SHOCK、あまり合わない服を着ていてもつけてます、僕(笑)

 

そうやって、本当に心からいいと思えた服が10着あれば、確かに十分ともいえるでしょう。

 

質の良いものを長く使うという話の中で、食器にまつわる話も出てきます。

これもとてもなるほどなーと共感できる内容となっているのでおすすめです。

 

小さなことにどれだけ幸せを見つけられるか

 

旅行とかパーティーとか、そういう特別な日はもちろん心が踊りますよね。

 

では、普段の生活ではどうでしょう。

「ああ、幸せだなぁ」「良い日だったなあ」と思える日って、どれくらいありますか?

 

著者は、日々の生活の中で、どれだけ幸せを見つけられるかが、豊かさにつながると述べています。

 

例えば、著者のホームステイ先のお父さんは、カマンベールチーズを日々飽きずに「フロマージュの王様だよ」と話しながら食べていたそうです。

毎日出てくるチーズに対して「今日も同じチーズかよ〜」と愚痴をこぼすことだってできるんです。

でも、そうやってどんな小さなことでも「幸せ」と思えること、

それが人生の充実につながることをムッシュ・シックから教わりました。

 

幸せは、モノが与えてくれるものでは決してありません。

 

日々の中でささやかな幸せを見つけ、その幸せを大事にし続けることができれば、

無駄なモノも買わずにお金も貯めることができ、心の豊かをもたらします。

 

フランス人の生き様は、僕がイメージしていたパリジェンヌとは程遠いものでしたが、

とても気高く、そして魅力的なものでしたし、

僕みたいな残念な顔面でもフランス人のような生き方ができる希望がもてたので

とても幸せです(違う)。

 

ジェニファー・L・スコット 大和書房 (2014/10/21)