すきま時間で楽しく学習できる!1年生算数の難関、数の合成・分解の数遊び

2019年1月30日

1年生の勉強って、ものすごい簡単なものばかりでうらやましいなあって思いませんか?

だって、足し算引き算といっても、100を超さない計算ですし、ほぼ暗算でできるレベル。

図形だって「サイコロの形(立方体)は平らなところはあるけど、ボールの形(球)はない」といった仲間分けで十分です。

 

簡単にわかる≠簡単に教えられる

さぞかし授業も簡単にできるんだろうなあと思ったらそれは大間違い

むしろ1年生の学習というのはあまりに簡単すぎるが故、

どう教えたら良いのかわからないことが多いです。

 

さらに、1年生で学んだことのほとんどは、後の学年での学習の根幹を成すことから影響力が非常に強く、責任重大です。

そう考えると、1年生の授業ってものすごいプレッシャーを感じますね…。

 

そんな1年生の算数でつまずく子が地味に多いのが数の合成・分解。某教科書の単元名を借りると、「いくつといくつ」に当たる内容です。

 

数の合成・分解というのは、その数を構成するいくつかの数に分けたり、またはその逆で合わせたりすることです。例えば、「10は8と2」、「2と3で5」といった具合です。

 

数の合成・分解ができないとどうなるの?

 

この数の合成・分解ができないと、早い話がこれからの算数、

特に計算領域の内容がほぼ理解できなくなります。

図形領域など、他の領域でも面積や量を求めるときに計算は必須ですので、実質的に算数が何もわからなくなると言って差し支えないでしょう。

 

例えば、1年生の半ばには10より大きい数の学習があります。

7+5をする場合、まず7を10にすることを考えますよね。

7を10にするには、あと3必要ですので、足す数の5を3と2に分けて、

そのうちの3を足して10にします。

そのあと、残った2を10に足して12という数を求めるわけです。

 

さて、この単純な計算の中で、数の合成・分解がどこで行われていたかわかったでしょうか。

  • 7を10にするには、あと3必要→7と3で10
  • 足す数の5を3と2に分けて→5は3と2

正解は、この2箇所です。

数の合成・分解の理解ができていないと、このような簡単な足し算ですら苦労します。

そして、先ほどの画像のようにな地獄絵図が出来上がるわけです。

だからこそ、絶対につまずかせたくはない単元ですね。

ちなみに、数の合成・分解の概念が定着していない子は、計算をするときに指を折って数えるので、比較的定着どの見分けは簡単です。

 

手だけでできる、数の合成・分解遊び

 

だからといって、机に教科書を広げてガチ補習…なんてことは1年生には絶対にしてはいけません。
というか無理です。

小学生とはいえ、1年生は幼稚園や保育園を出て1年も経っていませんし、

数の合成・分解を学習する頃は、それこそ卒園してから間も無いのですから。

1年生には、遊びを通して習得させるのが一番です。

ということで、さえあればいつでもどこでもできる数遊び2つを紹介します。

1.ごまだんご

ごまだんごは、5までの数の合成・分解を習得させるための数遊びです(だから、ごまだん「ご(5)」です。)

やり方

  1. 子どもたちと一緒に、手拍子でリズムを作りながら「ごっまだんご!ごっまだんご!」と掛け声を数回繰り返します。
  2. 教師が特定の子に「●と?」と、0〜5までの好きな数字を言って問いかけます。
  3. 子どもは、「■で!」と、教師が言った数字と合わせて5になる数を答えます。
  4. 見事、5の数が作れたら「ごっまだんご!ヘイ!ごっまだんご!」と言います。「ヘイ!」のところでは、正解した子とハイタッチをしましょう。
  5. 他の子を対象に、1〜4を繰り返します。

2〜4を通すと、次のような流れになります。

教:2と?

子①:3で!

全員:ごっまだんご!ヘイ!(ハイタッチ)ごっまだんご!

教:4と?

子②:1で!

全員:ごっまだんご!ヘイ!(ハイタッチ)ごっまだんご!

テンポよくできるようになるととても楽しいですが、

初めは答えるのに止まってしまっても待ってあげましょう。

それで正解できたなら、またリズムに乗ってハイタッチをしてあげます。

ごまだんごに慣れてきたら、範囲を10まで広げた「ごままんじゅう」もおすすめです。

2.戦争(割り箸、マッチ棒など)

 

これは知っている方がたくさんいると思います。

地域によって呼び名は異なりますが、両手の人差し指を出した状態から始まる、「あのゲーム」です。

 

ルールは簡単。

相手から攻撃を受けた場合、相手が出している指の数だけ自分の指の本数が増えます。

例えば、1本の指が出ている相手の手から、人差し指と中指の2本の指が出ている自分の手に攻撃を受けた場合、
2+1=3で自分の出ている指が3本になります。

攻撃を受けて5本以上になったら消滅とか、5本ちょうどで消滅とか、その手が負けるタイミングは地域によって異なるそうです、

他の細かなローカルルールもありますが、数の分解・合成の理解という目的で行わせるのであれば、以下のルールがおすすめ。

  • 合計の数が5本ちょうどになったら消滅。6以上になった場合は超過分の指を出して復活できる
    (例:3本の指が4本のダメージを受けたら3+4=7で、超過した2本の指を出した状態で復活する)
  • 出ている指が2本以上の場合、「分裂」「移動」が可能
    (例1:片手のみの状態で指が2本出ている時、両手の指1本ずつの状態に分裂できる)
    (例2:右手3本、左手1本のとき、右手の3本のうち1本を左手に移動させて2本ずつの状態にできる)
  • 両手が健在のとき、ダブルアタックが可能
    (例:右手が1本、左手が2本の場合、2つの手を合わせて3本分としての攻撃ができる)

このゲームを広めるときに気をつけて欲しいのは、全体でしっかりルールを共有すること。

ルールが曖昧なままで広めると、「俺ルール」を作りだす子が出現してケンカの原因になります。

学級の子ども全員で楽しみながら学べると理想的ですね。